【基礎5】不等式の場合分け

【基礎編】【猿でもわかる】数学本質的理解

🟦 1. 1元1次不等式

👉 直線の上(数直線)での範囲
例:

    \[ 2x - 3 > 1 \quad \Rightarrow \quad x > 2 \]

数直線で「2より右側」という範囲。

🟦 2. 1元2次不等式

👉 放物線と x軸 の上下関係
例:

    \[ x^2 - 3x + 2 \geq 0 \quad \Rightarrow \quad (x-1)(x-2) \geq 0 \]

解は x \leq 1 または x \geq 2。 数直線で「両端の外側」の範囲。

🟦 3. 2元1次不等式

👉 平面を直線で2つに分ける
例:

    \[ x + y < 3 \]

直線 x+y=3 が境界線。 解は「直線の下側(半平面)」。

🟦 4. 2元2次不等式

👉 平面で円や放物線などの内外を分ける
例:

    \[ x^2 + y^2 < 1 \]

x^2+y^2=1 の内側が解。

✅ まとめ

  • 1元1次 → 数直線で右か左か
  • 1元2次 → 数直線で外側 or 内側の2区間
  • 2元1次 → 平面で直線の上下
  • 2元2次 → 平面で曲線(円や放物線など)の内外
これが骨格の4つ。
あとは「連立」=これらの範囲を交わらせるだけ。

不等式パターン表(骨格×連立)

基本ルール(超重要)
次元の高い方が勝つ —— 1元 × 2元 を連立したら、解は 2元(平面領域) で表す。
1元の条件は、2元の世界では x や y の「帯」(縦/横ストリップ)として働く。


A. 単独(連立なし)=骨格の4つ

  • 1元1次:数直線の片側

        \[ 2x-3>1 \;\Rightarrow\; x>2 \]

  • 1元2次:放物線と x 軸の上下(外側/内側)

        \[ x^2-3x+2\geq0 \;\Rightarrow\; (x-1)(x-2)\geq0 \]

        \[ \text{解: } x\leq1 \;\text{または}\; x\geq2 \]

  • 2元1次:直線の片側(半平面)

        \[ x+y\lt 3 \]

  • 2元2次:曲線(円/放物線/楕円など)の内外

        \[ x^2+y^2\lt 1 \]


B. 1元 × 1元(連立)

  • 1次 ∩ 1次:区間の共通部分

        \[ \{\,x\gt1,\; x\lt4\,\} \;\Rightarrow\; 1\lt x\lt4 \]

  • 1次 ∩ 2次:一次の帯と二次の区間の重なり

        \[ \{\,x\gt1,\; x^2-3x+2\geq0\,\} \]

  • 2次 ∩ 2次:二つの区間の共通部分

        \[ \{\,x^2-3x+2\geq0,\; x^2-4x+3\lt0\,\} \]


C. 2元 × 2元(連立)

  • 1次 ∩ 1次:二つの半平面の交差(多角形領域)

        \[ \{\,x+y\leq3,\; 2x-y\gt1\,\} \]

  • 1次 ∩ 2次:直線の半平面と円/放物線内外の交差

        \[ \{\,x+y\leq3,\; x^2+y^2\lt4\,\} \]

  • 2次 ∩ 2次:二つの曲線領域の交差(レンズ/リング状など)

        \[ \{\,x^2+y^2\leq4,\; (x-1)^2+(y-1)^2\geq1\,\} \]


D. 混在(1元 × 2元)※最終解は2元の平面領域

1元条件は 2元では 縦/横の帯 になる(次元の高い方が勝つ)。

  • 1元1次 ∩ 2元1次:半平面を縦直線/横直線で切る

        \[ \{\,x\leq3,\; x+y\leq3\,\} \]

    (この例では x\leq3 は元々含まれていて冗長)
  • 1元1次 ∩ 2元2次:円/放物線を帯でトリミング

        \[ \{\,x\geq0,\; x^2+y^2\lt1\,\} \]

    円の右半分
  • 1元2次 ∩ 2元1次:許される x の帯(例:外側or内側)で半平面を切る

        \[ \{\,x^2-3x+2\geq0,\; x+y\lt3\,\} \]

  • 1元2次 ∩ 2元2次:曲線領域を x の帯で切る

        \[ \{\,x^2-3x+2\lt0,\; x^2+y^2\leq4\,\} \]

    例:2\lt x\lt3 の帯に円の内部を制限

使い方(手順):①各条件の領域を個別に作る(1元=区間、2元=半平面/曲線内外) → ②共通部分をとる。
混在時は 2元の図を描いて、1元の帯で 切り取る イメージ。

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